今回は、現役東大生が書いたということで当時話題になっていた『東大読書』から始まる「東大シリーズ」を紹介したいと思います。
工業高校出身で、「偏差値?何それ?」という私に取って、「東大」というのは学歴コンプレックスを逆撫でするワードですね。
「大学で学ぶことなんて本を読めば独学で習得できるでしょ」と斜に構えて生きてきましたが、やはり高度な教育を受けたエリートというのには憧れがあり…
多くの東大生が共通して持つ能力を身に付けられるという「東大シリーズ」を読んで、高学歴集団と地頭力で同じスタートラインに立とうと思い、「東大シリーズ」をKindle Unlimitedでイッキ読みしました。
各作品の重要部分を抽出した要約を紹介しますので、ぜひ一読ください。
「東大シリーズ」と著者の紹介
「東大シリーズ」とは、多くの東大生が共通して持つ能力を紹介した『東大読書』『東大作文』『東大思考』『東大独学』『東大算数』のことです。
著者「西岡壱誠」の紹介 偏差値35から東大合格
著者である西岡壱誠さんは、高校時代に偏差値35の状態で東大を目指し始め、あっさり二浪したそうです。
このままではダメだと、東大合格した友人などの勉強法を多く集めて体系化し、東大模試で全国4位となり、見事東大に合格しました。
東大在学中に株式会社カルペ・ディエムを設立し、代表に就任。
「リアルドラゴン桜プロジェクト」として、全国の高校で勉強法・思考法を教えてたり、教師に指導法のコンサルティングなどを行なったりしているそうです。
東大在学中に、多くの東大生に勉強法や思考法に関してインタビューを行い、その分析から誕生したのが「東大シリーズ」です。
「東大シリーズ」全体の共通点と気になった点
「東大シリーズ」全体として共通するキーワードは「受動ではなく能動」、「1つの情報を様々な異なる視点から見る」です。
頭が良い人は、情報をそのまま受け取るのではなく、疑問を持ったり、物事の背景を調べたり、抽象と具体、マクロとミクロなど、様々な視点を使い、一つの物事から多くを学ぶことができます。
そのことを、インプット、アウトプット、思考法や勉強方法など、様々な切り口で解説していくのが「東大シリーズ」です。
個人的には『東大読書』が1番学びがあったのですが、シリーズを通して気になったことがあります。
どの本も作業を細分化して「記者読み」「仮説作り」「譲歩作り」などの名前が付けられているのですが、言葉の定義が少し自分の認識と違うというか、「これが譲歩?」と違和感を感じるところがありました。
まあ、自分がズレているのかもしれないし、名前自体はどうでも良くて、内容を抽象化すればまったく学びに影響はないのですが、少し気になりました。
「東大シリーズ」の要約を刊行順に紹介
ここからは、「東大シリーズ」各作品を、刊行順に紹介していきたいと思います。
『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく東大読書』の要約
1冊目は、東大生がどのようにして本を読んでいるかという内容の『東大読書』です。
内容を簡単にまとめるなら、「本と対話し、ただの情報を使える知識に変える能動的読書法」です。
この本は東大生の多くが共通して持っているという
- 読解力
- 論理的思考力
- 要約力
- 客観的思考力
- 応用力
を身につけ、「読み解く力」と「地頭力」を鍛えるための本になります。
ポイントは「受動的ではなく、能動的に読む」ということです。
この読書方法の手順をざっくりと説明すると、
①表紙や帯、目次、著者情報から判明することを元に、この本から学ぶべき目標などを決める。
②記者になったつもりで、内容に関して質問しながら、その回答を探す。
③内容に関して疑問に思ったことで、最後まで解消されなかったものを調べる。
④章ごとに要約を作り、新しい章に入るときは、それまでの要約を見ながら内容を推測する。
⑤似ているが少し違う本を並行して読み、共通点、相違点、相違する理由を考える。
⑥2冊で意見が分かれる「交錯ポイント」をノートに書き出し、その話題について他にどんな意見があるか調べて書き加える。
⑦目標達成度合いを確認する、全体を1行にまとめる、「交錯ポイント」に自分なりの結論を出すなどのアウトプットをする。
という感じです。
「たくさん本を読んでるけど、内容をあまり覚えてない」とか、「難しい本もしっかり整理しながら読めるようになりたい」とか、「本で得た知識を実生活に活かしたい」という方にオススメです!
『「伝える力」と「地頭力」がいっきに高まる東大作文』の要約
「東大シリーズ」の2冊目は、『東大作文』です。
『東大読書』がインプットについての本なら、『東大作文』はアウトプットについての本になります。
内容を簡単にまとめると「読者が能動的になる、双方的で伝わる文章を書く方法」になります。
この本で身につく能力は、
- 要約力
- 論理的思考力
- 客観的思考力
- コミュニケーション力
- 批判的思考力
になります。
この本で紹介されている文章の書き方の手順はざっくりいうと
①読者にどうなって欲しいか目的を決め、自分の主張を4つの型から選ぶ。
②主張に対する、想定読者の立ち位置を把握し、3つの型から伝わりやすいものを選ぶ。
③自分の主張に対する想定される読者のツッコミとその反論を文章に入れる
④文章中に問いかけを入れる、作者と読者の立ち位置が対等になるようにすることで、読者から質問しやすくする
⑤それぞれの文の役割を確認し、役割がなかったり、重複したりしている部分を削除するか、役割を与えて使える文にする。
という感じです。
この本は「文章が苦手で、良い文章の構成などを知りたい」とか、「文章で言いたいことが伝わらない」とか、「読者の考えに変化を与えるような文章が書きたい」といった方にオススメです!
『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく東大思考』の要約
「東大シリーズ」3冊目は、『東大思考』です。
インプットの『東大読書』、アウトプットの『東大作文』ときて、今度はそれらを支える、もっと根本的な部分である東大生の考え方、思考回路を紹介する本です。
内容を簡単にまとめると、「5つの思考法で日常の解像度を上げ、身の回りのことすべてを学びに変える方法」です。
東大生は、一つの物事から通常の人よりもたくさんのことを学べます。
これは、物事の原因、背景を考えたり、多面的に見たり、ミクロな視点、マクロな視点を使い分けたり、通常の人より多くの「見方」を知っていることに起因しているのです。
そして著者は、頭の良さとは、才能ではなく思考回路の違いだと言います。
この本を読むことで、東大生が持つ
- 暗記しなくても記憶できる思考回路
- 簡潔に話をまとめられる思考回路
- うまく話を伝えられる思考回路
- 人が思いつかないアイデアを思いつく思考回路
- 難解な問題を解決できる思考回路
を学ぶことができます。
内容をざっくりと紹介すると、
①【原因思考】覚えたい物事の原因を探し、その原因から派生する複数の結果を関連づける。
②【上流思考】物事の背景と具体的な事象をつなげて要約する。
③【目的思考】説明する時、相手に説明したい物事と相手がすでに知っていることを、例え話を使って関連づけることで伝わりやすくする。
④【裏側思考】物事の肯定意見、反対意見を考える、その物事にはどういう視点があるか調べ、どれが自分にしっくりくるか考えるなどして、物事を多面的に見る。
⑤【本質思考】マクロな視点とミクロな視点を行き来し、物事の本質をつかみ、具体と抽象を行き来し、本質と日常生活をつなげる。
という感じです。
「頭の良い人の考え方を知りたい」という方にオススメです!
『「学ぶ力」と「地頭力」がいっきに身につく東大独学』の要約
「東大シリーズ」4冊目は『東大独学』です。
東大生の独学方法(勉強方法を学べる本になります。
ビジネスマンの方の中には、「東大シリーズ」に対して、「東大はすごいけど、しょせんは学生でしょ?社会に出たこともない人の言うことじゃなぁ」と考える人もいるかもしれません。
しかし、そんな方でも勉強方法に関して、東大生が抜きん出ているのは認めざるを得ないのではないでしょうか。
この本の内容を簡単にまとめると「東大合格者の独学方法を体系化した、受験以外にも応用できる勉強方法」です。
方法はシンプルで、基礎を学ぶインプット、インプットした知識に疑問を持ち、考えを深めるクエスチョン、学んだことを自分の言葉で説明できるようになるアウトプットの3ステップを、実践を通じて2周以上するというもの。
もう少し詳しく解説すると、
①基礎のインプットは、考えずに優秀な人のやり方を受け入れる。インプットはつまらない作業なので、数字の目標を立てゲーム化し、時間制限を設けて、考えずにできるようになるまでやる。
②「インプットとアウトプット」「基礎と応用」「具体と抽象」の間をつなぐのがクエスチョン。インプットした基礎に対して「なぜ?」と考えてみる。
③アウトプットは、最低目標と最高目標を立てて行い、結果を受けて、目標との差を振り返る。
④インプットの2周目は、アウトプットの結果を振り返り、目標を達成できなかった理由を考え、課題を見つける。
⑤クエスチョンの2周目は、自分の苦手に対して質問をする。自分のミスを一般化、抽象化して教訓にする
⑥アウトプット2周目は、学んだことを説明できるようにする。説明することを前提にインプットすれば、インプットの質が上がる。
という感じです。
この本は「資格取得や新しいスキルを身につけたい」とか、「がむしゃらに勉強しているが結果が出ない」とか、「時間がないから効率的な勉強方法が知りたい」といった方にオススメです!
「東大シリーズ」のここまでの4冊は、Kindle Unlimitedで読むことができます。
月額980円で、他にも有名な本が多数あるので、1ヶ月に1冊以上本を買うような方はぜひ登録してみてください。
最初の1ヶ月は無料お試し期間になりますので、気軽に始められますよ!
『「数字のセンス」と「地頭力」がいっきに身につく東大算数』の要約
私がKindle Unlimitedで「東大シリーズ」を続けて読んでいる間に、新作『東大算数』が発売されたようです。
。新作なのでまだKindle Unlimitedで読むことができず、現時点では未読です…
しかし、Amazonの書籍情報を基に、『東大読書』で学んだ「装丁読み」で判明する内容を書いておこうと思います!笑
この本は、数学的センスを身に付けることができ、数学的センスを身に付けることで、
- 計算が速く、正確になる
- 物事を数字で語れるようになる
- 世界の見え方が変わる
というメリットがあります。
東大なのに、なぜ「数学」ではなくて「算数」なのか。それは、目次を見れば分かります。
この本では難しい公式などは扱わず、四則計算、約数、小数・分数、偶数・奇数等、小学生でも分かる、それこそ「算数」を扱っているのです。
しかし、この「算数」を使うことで、
- 見えていない課題を特定できる
- 頭の中を整理できる
- 発想の転換を促進できる
- 頭のメモリを節約できる
- 考えるスピードを加速できる
という効果をあげることができるのです。
最近では、マスコミや行政などが、統計データの見せ方を恣意的に選んで、世論を操作していると言われたりもします。
しかし、この本で紹介されているような「数学的センス」を身に付けることで、そのような数字のマジックに踊らされず、世の中を正しく見ていくことができるのではないでしょうか。
私はまだこの本を読んでいないのですが…笑
何か勉強を始めてみて、楽しもう!
総務省の統計によると、仕事をしている社会人で勉強をしている人は、全体の4%ほどだそうです。
つまり、ほとんどの人が勉強は学生時代で辞めてしまったということです。
学生時代の勉強って、決められた内容を無理やりやらされているという感じで、ほとんどの人にとって楽しいものではなかったのではないでしょうか。
そのせいで、勉強には大変なことというイメージかついてしまっています。
でも、社会人として人生経験を積んだ今なら、自分が本当に興味・関心があること、自分に本当に必要な知識が分かってきたのではないでしょうか。
今回紹介した「東大シリーズ」では、「受動ではなく能動」が大きなキーワードで、学ぶことの楽しさが語られています。
社会人になって人生経験を積んだ今だからこそ、何か新しく勉強を始めてみませんか?
勉強することが思い浮かばない人は、何か資格を取ってみるのはどうでしょう。
私は社会人になってから勉強の楽しさに目覚め、行政書士などの国家資格をいくつか取得しました。
諒設計アーキテクトラーニングという通信講座なら、行政書士を含む国家資格など実用的な資格から、マニアックな趣味としての資格など、たくさんの講座が用意されています。
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サイトを眺めてみて、興味が持てた講座があったら、ぜひ受講してみてください。
もしかしたら、あなたの人生を変える資格に出会えるかもしれませんよ。
ちなみに私は、大好きなコーヒーについて勉強したいと思っていたので、コーヒーソムリエの講座を受講し、無事取得しました。
今回紹介した「東大シリーズ」もぜひ読んでいただいて、効率良く学習に励んでみてください!