この記事では、ビジネス書のベストセラー『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズ4冊の要約を紹介します。
『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズは、2010年代に大ヒットし、シリーズで170万部以上売れたベストセラーとなりました。
発売から10年経ち、コロナ禍やテクノロジーの発展を考慮し、シリーズの内、『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』と『99%がしていないたった1%のリーダーのコツ』が令和改訂版としてリニューアルしました。
チャットツールやリモートワークなど、細かい部分は付け加えられていますが、本質的な部分はほとんど手を付けていないとのこと。
それだけ、この本で紹介されている内容が普遍的なものということでしょう。
このシリーズで紹介されているコツは難易度が高いものではなく、少し意識すれば実践可能なものばかりなので、仕事生産性を上げたいビジネスパーソンはぜひ読んで欲しい良書です。
『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズとは?
『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズは、外資系大手の日本IBMで専務補佐などをしていた河野英太郎さんが執筆した、
- 『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』
- 『99%がしていないたった1%のリーダーのコツ』
- 『99%がしていないたった1%のメンタルのコツ』
- 『10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』
の4冊のことです。
著者の河野英太郎さんは、「日本のホワイトカラーの生産性を上げる」を目標に発信活動をされている方です。
大企業の中で、著者が試行錯誤しながら得たノウハウをまとめたのが『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズになります。
特別な才能や苦しい訓練がなくても、ちょっとした工夫で誰でも成果につながるヒントというコンセプトで、多くの悩めるビジネスパーソンが身近に感じられる内容になっています。
同じ出版社から出ている『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』シリーズと雰囲気やシリーズ構成が似ているような気がします。
ただ、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』シリーズは、「大量に集めたビジネスパーソンの行動データをAIに分析させる」という客観的に成功法則を導き出したもの。
対して、『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズは、優秀なビジネスパーソンである著者個人が現場で苦労しながら身に付けたノウハウということで、アプローチが違います。
どちらが優れているということではないと思うので、両方を見比べて違いを見てみるのも面白いと思います。
『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズの要約紹介
ここからは、『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズ4冊の内容を紹介したいと思います。
『99%がしていないたった1%の仕事のコツ』の要約
著者が長年の試行錯誤により身に付けた仕事のコツが紹介されています。
全部で8章に分かれており、内訳は
- ホウレンソウのコツ
- 会議のコツ
- メール・チャットのコツ
- 文書作成のコツ
- コミュニケーションのコツ
- 時間のコツ
- チームワークのコツ
- 目標達成のコツ
です。
章立てを見て分かるように、大抵の社会人が仕事で扱う内容になっています。
紹介されるコツも、基本的なことだけど、振り返ってみると「ちゃんとできてなかったかも」と思えることが多いです。
1つのコツは見開きぐらいの分量で小分けになっているので、目次を見て、自分が実際の仕事で上手く出来ていないこと、さらに向上させたいことが書かれているページから読んでもいいかもしれません。
書かれているコツをいくつか紹介すると、
- 上司に報告する際、はじめに「3分ください」と所要時間を伝える。(ホウレンソウのコツ)
- 会議を「参加者数」「所用時間」「開催頻度」に要素分解し、全てを2分の1にすると、組織として会議に取られる時間を8分の1に減らせる。(会議のコツ)
- 1つの行動に2つの目的を持たせる。(時間のコツ)
- 誰がやるべきか明らかでない仕事は、迷わず自分がやる(チームワークのコツ)
などがあります。
『99%がしていないたった1%のリーダーのコツ』要約
リーダーはただの役割であって、他の社員より偉いわけでもすごいわけでもないという前提で、チームを組織のビジョンに向かわせるコツが紹介されています。
こちらも『1%の仕事のコツ』と同じで、
- メンバー選びのコツ
- 仕事の依頼のコツ
- メンバー評価のコツ
- トラブル対処のコツ
- チームを前進させるコツ
- モチベーションを高めるコツ
- 人を育てるコツ
- 自分を整えるコツ
の8章で構成されています。
書かれているコツをいくつか紹介すると、
- 自分より優秀な人を集め、プロフェッショナルとして尊重する(メンバー選びのコツ)
- 仕事を依頼する時は、「理由」「目的とゴール」「期待するレベル」「期限」を伝え、事細かに作業指示はしない(仕事依頼のコツ)
- メンバーに評価を伝える場合、チームのビジョンとメンバーの仕事内容を関連づけて伝える(メンバー評価のコツ)
- 部下からのトラブル報告には、まず感謝を伝える(トラブル対処のコツ)
などがあります。
『99%がしていないたった1%のメンタルのコツ』要約
この本は、他のシリーズの本と違い、スポーツメンタルマネジメントよ専門家との共著となります。
アスリートが実践する「高いパフォーマンスを出すための基盤となる心の強さ」を磨くためのメンタルマネジメントをビジネスパーソンに応用するための本です。
本の構成は、章のはじめにメンタルマネジメントの専門家からその章の内容に関して学術的なワンポイントアドバイスがあり、その後著者がビジネスキャリアの中で培ったコツを紹介していくという内容になっています。
この本は、
- セルフウェアネス 自分に気づくコツ
- 目標設定のコツ
- リラックスのコツ
- 集中力のコツ
- イメージのコツ
- セルフトーク 自分と対話するコツ
- 理想のパフォーマンスを生み出すメンタルのコツ
- 感情をコントロールするコツ
という8つの章に分かれています、
内容を少し紹介すると、
- やる気が出ない自分を許す→ネガティブな感情は脳からの休みなさいというサイン。「2割のテンションでいいや」等と決めることで結果的に前向きに動き出せる(セルフウェアネス 自分に気づくコツ)
- 達成に必要なプロセスを習慣化する→実行した自分を褒める。継続することでいつの間にかできているのが当たり前になる(目標設定のコツ)
- 身体と心は強く関連している→身体を動かすことでリラックスしたり、表情をコントロールすることで気分もコントロールできる(リラックスのコツ)
- ルーティンを決める→ルーティンは集中に至る道筋。一度うまく集中できたときの流れを再現してみて、削ったり付け加えたりしてベストなルーティンを見つける(集中力のコツ)
などがあります。
『10年目の壁を乗り越える仕事のコツ』要約
この本は新入社員でもなく、ベテランでもない社会人10年目くらいの社員に向けて書かれた本です。
出世や転職、起業や結婚など、人それぞれキャリアに違いが出てくるころです。
新入社員のときはやる気と勢いでどうにかなっていたことも、10年目ではそうはいかなくなります。
知識やスキルは身に付いているはずだけど、周りの同期と比較して焦りを感じたり、自分の将来のキャリアに不安を抱きいたりしやすい時期だと言えます。
著者はこれを「キャリア思春期」と名付けました。
この本は、「キャリア思春期」を向かえたビジネスパーソンが壁にぶつかったときに、気持ちが楽になったり、壁を乗り越えたりするためのコツを紹介しています。
この本は、
- スキルの壁
- キャリアの壁
- 職場環境の壁
- マネジメント・リーダーの壁
- 時代の変化の壁
という5つの章に分かれています。
内容を少し紹介すると、
- 誇れる仕事がない→「成し遂げたこと」はキャリアに一度あればいい。目の前の仕事を着実にこなすこと(スキルの壁)
- 専門職かジェネラリストか→二者択一ではない。長いキャリアの中でどちらの時期があってもいい(キャリアの壁)
- 一生懸命やっているのに評価されない→誰の評価?あなたのプロフェッショナルとしての評価者は上司ではなく顧客、ライバルは同期ではなく同業他社(職場環境の壁)
- 今の業種は将来AI化されるかも→AIに限らず、いつも変える側にいればその職種に居続けることができる(時代変化の壁)
などがあります。
まとめ
『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』シリーズ4冊を紹介しました。
シリーズを通して、ビジネスパーソンにとって身近な問題を取り上げています。
それに対するアドバイスも訓練や特別なスキルが必要なものではなく、仕事の生産性を上げるちょっとした気づきを与えてくれるものになっています。
紹介されているコツはけっこう数があるので、いっぺんに全部実践するのではなく、現時点で悩んでいることや生産性を上げたいと思っているところから少しずつ実践してみてください。
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